様々な商品にバーコードが印刷されています。買い物をするとスーパーなどのレジで、担当者が商品のバーコードを読みながら精算していきます。バーコードがなければ数ある商品やサービスをてきぱきと効率よくさばくことは難しいでしょう。商品の様々な情報を管理する上で欠くことができないものです。
さて、次のバーコードラベルをご覧ください。
これは商品を棚からピッキングする際に利用する目的と、それを送る宛先の情報を別々に印刷してあります。2つのバーコードは目的が違います。
塗りつぶしたところには、商品の情報や棚の位置などと宛先情報が印刷されています。
商品を所定の棚からピッキングする人と、それをトラックなどに詰め込む人は別の人です。
最初にピッキングする人が上のバーコードをハンディスキャナーで読み取ります。簡単な作業に見えます。
しかし、ハンディスキャナーを操作する「ヒト」は、確実に上のバーコードを読み取る訳ではありません。下のバーコードを間違って読むこともあります。当然、エラーになりますから間違った商品をピッキングすることはありません。
単純な読み間違えですが、ハンディーターミナルを操作する人にとってはかなりのストレスになります。
操作したことがない人は、ゆっくりやれば問題ないというでしょうが、沢山のバーコードを短い時間で読む場合には、起きうることです。
このバーコードの距離が離れていたらどうでしょか。あるいは印刷されていなかったらどうでしょうか。
確実にバーコードを読むことができるはずです。
あるネット通販の梱包用(送付用)段ボールのバーコードも横と縦ですが近い距離に印刷されています。梱包する人は、一つのバーコードしか使いませんが、梱包作業を行う際にその箱のバーコードを読んでからはじめます。正しくバーコードを読めないとその荷物の管理ができなくなります。1度に5から20個のバーコードを読み取ってから作業を始めますが、バーコードを読む際に別の目的のバーコードを読むことが多々あり、その場合にはエラーが表示され再度正しいバーコードを読み取る必要があります。
後日あるサイズの箱では、二つのバーコードの印刷位置を大きく離したためエラーやトラブルが大幅になくなりました。
最初の設計段階で充分な考慮と見当ができれていれば作業効率は違ったものになるでしょう。
なんとか読み取れるという事とスムースに読み取れるということは違うということです。
バーコードは作業を効率よくするものですが、「ヒト」には肉眼で読み取ることが難しい「記号」です。
デザインする人の腕を発揮する場所の一つだと思います。