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Windows 10 Version 1903にアップデートしたらOffice 365が動かなくなった

Windows 10 Version 1903(別名Windows 10 May 2019 Update)は2019年5月21日から公開されました。

Windows 10を使っているパソコンはほとんど自動でアップデートされます。

新しい機能の追加やセキュリティー強化など1年に2回無償で提供されるマイクロソフトのサービスです。

Windowsを使い続ける限りおそらく永久に提供されるであろうサービスです。

毎月第2水曜日(日本時間。アメリカ時間では第2火曜日)に公開されるWindowsアップデートとは大きく違います。

こちらのWindowsアップデートはセキュリティーアップデートが主な目的です。

マイクロソフトが公開・提供する大型アップデートですから事前準備をそれなりに行っていると思いますが、公開後様々な不具合が報告され、公開の一時中止や追加のアップデートが公開されるのがこれまでの流れのようです。

おそらくたいていの適用対象のパソコンは不具合もなく正常にWindows 10 1903へアップデートされているでしょう。

私が使用している複数のパソコンも今のところ正常に使えています。

<障害の発生>

そんな時に、「会社の私のパソコンで、office 365が使えなくなりました。ライセンスがないと言ってくるので(補足:パソコン画面に表示される)、サインインし直したり、officeを再インストールしたりしてみましたが、駄目です」というショートメッセージがスマホに入りました。電話でOffice 365のライセンス認証を確認することと、パスワードの変更、2段階認証の確認、Office 365のプログラム修復※1 などをアドバイスしました。

翌日状況確認のショートメッセージを送りましたら、次のような回答がありました。

「パスワードを替えて、でも、エクセルがエラー。officeのサポート、回復サポート※2 バージョンが古いメッセージが出たので、もう一回 officeをダウンロードしているところです。」

その後「ダウンロードが一時間経ってもおわりません。」とあり、日にちを決めて訪問する事になりました。訪問したのは2019年8月3日(土)です。

※1 Office 365のプログラム修復

Office 365のプログラム修復は、[コントロールパネル]―[すべてのコントロールパネル項目]―[プログラムと機能]から[Microsoft Office 365 xxxxx –  ja-jp]を選び[変更]から[クイック修復]または[オンライン修復]を行います。普段使用していて動作がおかしい時はこの機能を使います。

※2 Microsoft Office365 サポート/回復アシスタント のこと。Office 365のトラブルシューティングツール。

<OutlookまたはOffice 365を使用した時に発生する可能性のある問題のトラブルシューティングと修正をサポートします。

Office 365のWebサイトにログインして[ツールおよびアドイン]から入手できます。パソコンにダウンロードしてから実行します。

Office 365はサブスクリプション契約で利用するOfficeプログラムです。Office 365を利用しているかたは、管理者の方にご相談ください。

 

話しを戻します。

問い合わせてこられたYさんは、上記の方法をすべて試したようですがOffcie 365が使えるようにはなりませんでした。

<修復作業>

訪問し状況をヒアリングしました。Windows 101903のアップデートが7月30日に行われたという情報を得ました。他のパソコンでは今まで通りOffice 365が使えているとの事でした。そのため、Office 365の不具合がWindows 10 1903のアップデートが原因とは判断できませんでした。そもそもWindows 10もoffice 365も同じマイクロソフトの製品です。不具合が発生するとは考えにくかったというのが率直な気持ちです(それが過信であることを思い知らされました)。

Office 365の不具合ということで、Officeプログラムの修復、Officeの削除と再インストール、[Microsoft Office365 サポート/回復アシスタント]を再度行いました。

何度か行いOffice 365そのものに問題がないことが分かりましたが、Excel、Word、Powerpointを起動させるとライセンス認証でエラーが発生し起動できません。

ライセンスを他のアカウントに変更しようとしても変更ができずプログラムが使用できません。

 

次に行った方法は、Windows 10の[システムの復元]です。

[コントロールパネル]―[すべてのコントロールパネル項目]―[システムの復元を開く]から[システムの復元]を行い、表示される月日まで戻すことにしました。

復元できる月日は1903にアップデートした日付です(これがあとから重要な意味を持ってきます)。

Office 365を再度インストールし直しましたが、あいかわらずライセンスが認証されません。

また、ライセンスのアカウントを別のアカウントに替える要求の画面が表示されるので、他のアカウントライセンスを使用してみました。

しかし、複数の他のアカウントライセンスを試しましたが、使用できません。

 

次に、ユーザープロファイルが壊れているのではないかと考えパソコンに登録されているユーザープロファイルを確認し、不要なユーザープロファイルを削除し、新規にユーザープロファイルを作成しました。

ユーザープロファイルは、パソコンで使用するユーザー情報が入っていますが、不具合を起こすことがあります。個人で使用しているパソコンでも不具合がある場合には、試す価値があります。

新規にユーザープロファイルを作成すると、いつものユーザープロファイルを作成するときとは違うように感じました。その違和感は後で分かりましたが、その時は修復したい気持ちが先に発ち作業を進めました。

新規のユーザープロファイルを作成し、再度Office 365をダウンロードしインストールしましたが、インストールは正常ですが、起動されるとライセンス認証が行えません。

10時間近く作業を行いましたが修復させることができません。作業は翌日(8/4)に持ち越されました。

帰宅後、システム回復でWondows 10 1903前に戻すことが出来ないことを調べたら、前のバージョンのWindows10の戻す方法があることが分かりました。

アップデーを行ったのが7月30日でしたから、戻すことができる日にち内(10日間内)でした。

上記図は、別のパソコンのものです。10日過ぎると前のバージョンにはこの方法では戻すことができません。

開始をするとエラーが表示されます。ユーザープロファイルを追加したため、戻すことができないというメッセージです。新規追加したユーザープロファイルを削除して再度行いますがエラーメッセージは消えません。先の触れた「違和感」とは、このことでした。システムがユーザープロファイルの正しい取り扱いができなくなっているのでした。

そこで、システムの復元を行い、ユーザープロファイルを作成する前の7月30にシステムを戻しました。

それから、[前のバージョンのWindows 10に戻す]を行うと、Windows 10 1803に戻りました(パソコンが1809にアップデートしていなかった。これが今回の原因か不明)。

※Windows 10 の回復オプション
https://support.microsoft.com/ja-jp/help/12415/windows-10-recovery-options

<Windows 10 へのアップグレード後は、一定期間に限り、以前のバージョンの Windows に戻すことができます。これを行うには、[スタート]  ボタンを選択し、[設定] > [更新とセキュリティ]  > [回復]  の順に選択し、[前のバージョンの Windows 10 に戻す] の下の [開始する] を選択します。この操作では、個人用ファイルは保持されますが、アップグレード後にインストールしたアプリやドライバーと、設定に加えた変更はすべて削除されます。ほとんどの場合、以前のバージョンに戻すことができる期間は 10 日間です。>

Office 365を再インストールして起動させたら、正常に動作しました。約2時間の作業でした。

<Windows 10 1903の不具合とKB4505903>

Windows 10 1903が公開されてから約2カ月過ぎていたが、未公開の不具合があったことが分かりました。

それが、2019年7月27日に公開されたKB4505903です。8月4日夕方情報を収集していたら英文資料(現在は翻訳されています)がマイクロソフトで公開されていることを知りました。

残念ながら、今回の不具合が解消してからなので適用することはできていません。

2019 年 7 月 27 日 — KB4505903 (OS ビルド 18362.267)

https://support.microsoft.com/ja-jp/help/4505903/windows-10-update-kb4505903

「アカウントが必須のローミング ユーザー プロファイルを使用して構成されている場合に、一時的なプロファイルを使用してローカル ユーザー アカウントにサインインする問題を修正します。 “アカウントにサインインできません” というエラーが表示されます。 アプリケーション イベント ログにはイベント 1521 が含まれています。イベントのソースは Microsoft-Windows-User Profiles Service と表示されます。」

ユーザープロファイルをOffice 365が使用していますが、そのサインインが正しくできないとサブスクリプションという契約を行っていても使えないということです。Office 365はプログラムの起動時にサインインを行い正規品であるかどうかを確認します。

テスト使用でOffie 365を使うことができますが、その使用期限は30日です。今回、解決までの間、テスト使用での運用を考えましたが、それすらもできない状態でした。

仮にシステムを初期化して、Windows 10 1903がインストールされるのであれば、不具合が解消するか不明です。初期化すると他の設定が多い場合時間がかかります。

同じ環境であっても今回の不具合が起きるわけではないことが、対応の難しさだと痛感しました。OSを前のバージョンに戻しましたが、いずれはアップデータしなかればなりまません。次の<Windows 10 1909?>にするか状況を調査しながら判断することになるでしょう。
Office 365も定期的にアップデートされます。

Windows 10のアップデートでは、インストールされているアプリケーション(プログラム)やドライバーも影響を受けます。ある程度は自動的にアップデートされますが、自分で意図的にアップデートしなければならないものも多々あります。

使用していないアプリケーションや周辺機器のドライバー・プログラムを削除することも検討することが大切でしょう。

<参考>

Windows 10 Version 1903 の新機能 (IT 技術者向けコンテンツ)
https://docs.microsoft.com/ja-jp/windows/whats-new/whats-new-windows-10-version-1903

Windows ライフサイクルのファクト シート

https://support.microsoft.com/ja-jp/help/13853/windows-lifecycle-fact-sheet

 

Windows 10 を以前のバージョンの Windows 10 に戻す方法について
https://blogs.technet.microsoft.com/askcorejp/2017/04/25/windows-10-goback-previousver/

Office のライセンスのない製品というエラーとアクティブ化のエラー
https://support.office.com/ja-jp/article/office-%E3%81%AE%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%82%BB%E3%83%B3%E3%82%B9%E3%81%AE%E3%81%AA%E3%81%84%E8%A3%BD%E5%93%81%E3%81%A8%E3%81%84%E3%81%86%E3%82%A8%E3%83%A9%E3%83%BC%E3%81%A8%E3%82%A2%E3%82%AF%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%96%E5%8C%96%E3%81%AE%E3%82%A8%E3%83%A9%E3%83%BC-0d23d3c0-c19c-4b2f-9845-5344fedc4380

“申し訳ございません。お客様のアカウントに接続できません。 Office のライセンス認証時にエラーが発生した場合は、後でもう一度実行してください365
https://docs.microsoft.com/ja-jp/office/troubleshoot/activation-installation/issue-when-activate-office-from-office-365

Office 製品のトラブルシューティング
https://docs.microsoft.com/ja-jp/office/troubleshoot/client

Office プログラムを起動しようとすると、”0x80041015″ というエラーメッセージが表示される
https://docs.microsoft.com/ja-jp/office/troubleshoot/error-messages/0x80041015-start-office-program

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