紙文書(ドキュメント)をスキャナーを使い電子化することが普通になった昨今です。
今回自己所有の本を電子化する際の小技を紹介します。
昔に買った本が時間とともにだんだん茶褐色(赤く)になってくる現象を「ヤケ」といいます。
太陽や蛍光灯など光が当たることにより生じる「思い出」のようなものです。
次の写真(図1)は1972年に購入したマキュアベリの『君主論』(角川文庫)です。
この右側(14ページ)をドキュメントスキャナーを使い電子ファイル(PDF、PNGファイル)にしてみました。図2
図2:300dpi、白黒(PNG、89.2KB)
「ヤケ」が黒くなり判別しにくい状態になっています。
読み取る際の設定値で[ドラップアウトから―赤]にします。図3
図3:CaputurePerfect 3.1の[スキャナの設定]ー[画像処理]タブ
図4:300dpi、白黒、カラードロップ赤(PNG、49.7KB)
「ヤケ」が除去されて見やすい電子ファイルが作成できた。
書籍が発売された当時のページに近い電子ファイルになりました。
<参考>
「ヤケ」がある書籍を電子化する場合。グレーやカラーで電子化するとファイルサイズが大きくなります。
図5:300dpi、256階調グレー(PNG、1,279KB)
文字は読めるが全体的にグレー人っている。文字だけなら白黒でスキャニングしたほうが見やすい。
図6:300dpi、24ビットカラー(PNG、4,172KB)
「ヤケ」が電子化に反映されたページ
使用した機器はCanon imageFORMULA DR-2010Cです。
現在生産終了していますが、販売されているスキャナーのスキャニングソフトに同様の設定があると思います。
ページ数が多いドキュメントや書籍を電子化するにはできるだけファイルサイズを小さくすることが、ファイルを開くときやスマホタブレットに入れて持ち歩くとき快適に扱えます。
なお、自分の所有する書籍を電子化し、自分で利用することは法律的に問題ありません。
しかし、電子ファイルを不特定多数の人々に公開して共有したり、販売することは著作権法違反です。